道なき道を行く

今日は祝日ということで、まあ開発も少し落ち着き午後から特にやることはないので年明けから始めてレベル8になったイングレスを散歩がてらやることにした。最寄り駅からさらにひと駅向こうまで歩いて行くことに。

ひと駅とはいえ道なりに歩いて行くと1時間弱くらいかかり、さらにイングレスのポータルも少ないので前々から気になっていた場所を経由して行くことにした。その場所は特にポータルがあるわけではないし、むしろ何もない。

マップ

このマップ上で繋がってるのか繋がってないのかよくわからないポイントだ。ここを下から上へ通過できれば、つまらない県道の端を行く代わりに街中から街中へ一気に突き抜けることができるウルトラショートカットだ。

マップ上の灰色の道はたぶん舗装されていないような道を表していて点線は市と市の境界線のようだ。地図上だとまあ繋がってないんだけど、その距離は200mくらいでさらに以前に逆側からみたときに林に入っていく小道のようなものが見えたのでおそらく繋がってるんじゃないかと思った。

まあ、確信はなかったけど、あと200m程度で繋がる道をさくっと繋げておかない理由はないだろうと考えたわけ。俺が市長なら間違いなくとっくにここをつなげてアクセスの利便性を高めてるからね。

家を出てポータルをハックしながら目的のショートカット部分に向かっていく。灰色の道に差し掛かると舗装がなくなり左右は林がどこまでも続いている。すれ違う人はなく虫だけがやたらと多くて少し面倒臭くなってきたが、そこは小走りで誤魔化して地図上の道の先っぽ部分まで到着する。

地図道の先端

行き止まりになっている不安が若干あったけど、やはり期待通り向こう側への道を見つけることができた。山道ではないけど雰囲気はそんな感じで、一人分の道幅しかなくさらに蜘蛛の糸も張っていて人通りの少なさを感じる。蜘蛛の糸が顔にかかったときは漫画喫茶に行く方が有意義に過ごせたんじゃないのかなーとかいう思いがよぎったけど、スマホをみればLTEが4本立っていたのでそれは甘えだろう。場所は違えどやはりここも都会のど真ん中だ。

小道は点線にそって東西に渡っていた。東に向かい徐々に白色の線へと近づいているはずなのに、両側は相変わらず木々がぎっしりと生えていて変化がない。GPSで現在地を頻繁に確認しながら歩いていく。

最接近地点がそろそろ見えているはずなのに左に行く道らしきものが見つからない。地図を拡大してみると点線と白い線の先まではわずかに20m程度なので、もし道がなければ強引に木々を押し倒して俺が道をつくればいいだろうとか、かっこいいことを考えていたけど、足場がないくらいの茂みと落ちていってしまいそうな地面の角度に、人はそもそも自然の中を歩くことはできないのかもしれないという気持ちにさせられる。いよいよテンパってきたとき、なんとなく少し左側が開けている?!

最接近箇所付近

うおーーーーーー、階段あるーーーーーー!! つ、繋がってた…。やっぱり父さんは嘘をついてなかった! 自然の中にちらっとだけ現れた金属の棒に頼もしさを感じた。ひとりの知り合いもいないパーティーに出席して完全アウェイの中、唯一の友達を見つけたかのようなにんまりした顔で駆け寄っていく。

左に階段

もし、この階段がなければ向こう側に出ることは果たしてできただろうか。地図上ではたかが数十メートルだけどこの坂具合と茂り具合…。階段が運良くここになければお互い無傷ではすまなかっただろう。

急な階段

誰かが用意してくれた道がこんなに歩きやすいなんてこれまで気がつかなかった。俺は道がないということを知らずに道を知っている気でいた。道の上しか歩いたことがなく道の上しかしらないのに道を分かったつもりでいた。道がなければ数十メートルいや、数メートル先にすら辿り着けないかもしれない。

前方に舗装された道路

さらに少し先にはアスファルトで舗装された道路が。あー、アスファルト大好き。これまで何度もスマホを落としてきた無駄に硬いアスファルトの感触がいまは心地よい。まさに先人が作った道のなかの道だ。今日はこのカチカチのアスファルトの上で寝たい気分だ。

アスファルトの道

ふと振り返ると、以前にみた景色がそこにはあった。そうだこれを見てなんか繋がってそうだなと思ったんだった。ブログを書く予定ではなかったのでこの写真だけストリートビューから拝借。誰の自転車だろうか? 以前の俺と同じことをしている奴がいる。この自転車の持ち主はこの道の先が気になっていま見に行っているのです。

ストリートビュー

西日を受けながら家を出たけど、いまはだいぶ日が落ちて綺麗な夕暮れの景色。コンクリートはいい。安心だー。これは安心できる景色だー。

マンション

いつからだ。いつから俺はコンクリートの上でしか生きていけなくなった…。

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